歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

TA2023 DAY25 Invercargill to Bluff (36)

7時半に起床、シャワーを浴びて8時に出発。インバーカーギルの街にまだ陽は登っていません。海が近いこの街でも朝晩は手袋がないとかじかむくらいの冷え込みです。

今日純粋にトレイルを歩いたら38キロくらいあるのですが、なんせ足首の痛みが時限爆弾的であり、この最後のセクションは3年前にほとんど歩いているので、キリの良い初めの10キロくらいはヒッチしようと国道を歩きはじめました。が、なかなか拾ってもらえずそのまま歩くことに。ゴールまで足持ちますように。。。

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今日は最後の8キロ以外、ずっとこんな道路歩きです。ラッキーなことにお天気がどんどん良くなり、気温も上がってきました。昨日は日中すんごく寒かったので、冬用のベースレイヤーを着てダウンと手袋まで持ってきたんだけど、むしろ日焼け止め塗るべきだった、、、
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歩きながらポッドキャスト。普段はすぐに集中を失ってしまうのですが、歩きながらだと聴き漏らさず楽しめるし、退屈な道路もあっという間だしウィンウィンです。"世界の歩き方"のCDTがテーマのを聞きました。ゲストの回はこれで3回目くらい笑笑

今日はザックを宿に置いてきました。ほんとうはザック背負って歩きたかったけど、みんなどうですか?ブラフに泊まるなら要るけど、インバーカーギルに戻るから要らないし、要らないのに全部ギア背負うのはアホらしいけど、中身を軽くしてまで背負うのもアホらしいし。同じ宿のフランス人は、ザックなんてザックでしかないし写真の為に背負うなんて馬鹿げてる!と。写真の為じゃないんだよなぁ。空身で歩くのを少し後ろめたく感じて出発したけど、歩いてると良い意味でそんなことどうでもよくなった。ただ、ロングトレイルである一定の人たちにそう感じさせるザックの意味って何だろうなって思いましたヨ。

あと、スキップやヒッチハイクについても考えた。3年前は、ヒッチをして目的地に早く辿り着いてのんびりしてるハイカーが羨ましくもあった。退屈な道路続きのセクションを100km単位でぴょーんとスキップするハイカーを見ると、ウンウン言いながら歩くことがバカらしく思えて辛くもあった。ヒッチの親指を出しかけて引っ込めたこともあったし、耐えきれずにヒッチしたことも3回くらいある。後ろめたくてその時の状況や感情は今でもよく覚えている。

対して今回は、待ちに待ったテアラロア、そして足の故障もあったので、歩けることを自然と有り難く感じ、泥沼でも道路でもハッピーな気分だった。ヒッチもスキップも良い意味でどうでもよくて、歩きたいから歩くけど、3年前に歩いたところは歩かなかったし、足首がもたなかったらヒッチしてその日の宿に着くしかないって思っていた。

ただ、一歩もスキップせずにケープレインガからブラフまで足跡を繋げて歩いた、"歩くことができた"ハイカーもいるわけで、やっぱりカッコいいなあと思います!

13時半頃、やっとブラフの街の入り口に着きました。みんなが写真撮ってるサインだ〜!1人撮影会。。。

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このサインから国道を離れて丘を歩きます。あと8キロ2時間と自動的に頭に浮かぶも、嬉しい気持ちで溢れていて、足取り軽いってこういうこと?!というくらい残りのキロ数が名残惜しいくらいどんどん減っていきます。

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最後の2時間が40分くらいに感じた。途中からめちゃくちゃ整備された遊歩道になって、テアラロアがこんなふうに終わるのが可笑しくて。
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感動で泣くかも〜と思っていたけど、嬉しさとここまで来れた感慨でいっぱいだった。ロングトレイルはもちろんテン泊さえ初めてだった私、ケープレインガを出た時はゴールに辿り着くことなんて想像できなかった。とりあえず毎日歩くしかないって思ってた。ゴールが見えてきたらパンデミック。2022年2月頃にNZが開国発表するまでは先に進めないトンネルみたいに感じていた。待っていれば、望んでいれば、また戻ってくることができる。ここに戻ってこれたことに感謝。

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このあと郵便局まで歩いてトワイゼルのデニスにポストカードを送ったよ。テアラロアでふれたもの、人の心の豊かさ。それに尽きる。こう書くと綺麗事に聞こえてしまうけれど、テアラロアで出会う人の優しさは、自分の常識の枠をはるかに越えていて、本当に驚きます。3000kmのロングトレイルを歩いた意味、、、トレイルにも人生にも"意味"なんて多分ない、、、だけど、得たものはたくさんある。

さて、明日から何しよう!フリーって良いな!