歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

DAY#14 272.7km to 297.8km (25)

5時半に起床。昨夜書けなかった日記を書いて、朝ごはんにリンゴを2つ。みんな疲れているのかまだ寝静まっています。荷物をまとめて7時半にキャンプ場を出発。朝の静かな一人歩きは気持ちがいいです。

まずはラッセルフォレストを残り4キロ、四駆が通れるような山道を歩きます。少し標高が高くなると電波が入り、数年前にスルーハイクをしたハワイ時代の友達からボイスメッセージが届きました。知っている人が通った道だと思うと嬉しくなります。ほんの1時間ほどで人里に出ました。


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舗装道路に出てしばらくすると、大小様々な豚の群れ!30頭はいました。

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なぜか私に向かって道路を渡り始める子豚たち。今日二番目の癒やしでした。

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舗装道路は14km延々と続きます。私に追いついたエディとトーマスは6週間の旅行で来ていることもあり、ヒッチハイク組です。無事拾ってもらえた二人に手をふって見送りましたが、私もヒッチハイクしたらホリデーパーク(温かいシャワーとかが揃っている立派なキャンプ場)まで辿り着けるのになぁ、とモヤモヤしました(笑)

 

12時半にヘレナ・ベイに到着。綺麗な湾に向かって歩いていると、おじいちゃんに水はたくさん持ってるか?と声をかけられました。この人こそ長年ハイカーをサポートしてきたトレイルエンジェル、ジャックです。コーヒーでも飲む?と言われて、ご馳走になりました。しかもジャックが食べようとしていたお昼ごはんまで!(笑)

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guthookには、キャンプはできなくなったとハイカーのコメントがありましたが、泊まりたかったら泊まれるようです。週末しか別荘に来ない近所の人から、ハイカーに何か盗まれるのが嫌だから辞めてくれと言われたそうで、怒っていました。見返りを求めないハイカーへの優しさって何なんだろう。

ジャックとしゃべりながら1時間くらいゆっくりしていたところ、オーストラリアからのダン、韓国チーム、土砂降りの通り雨がやってきました。韓国チームはジャックのところに泊まる気まんまんです。私とダンは、まだ日も高いし、次のキャンプ場まで十分辿り着けるので先に進むことにしました。2時発。

ヘレナ・ベイからは急登が続く尾根沿いのトレイルに入ります。ゆっくりなダンが道を譲ってくれたのでもくもく歩き始めたのですが、やっぱりまた雨が襲ってきました。気づけば本降りになり、雷まで!レインジャケットを着て傘をさして低い木の下で耐えます。光ってないしゴロゴロなので遠くなはず。寒いし、ザーザー降りだし、スボンはびちょびちょだし、戻ろうかなと頭によぎりましたが、30分後には弱まったので歩き始めました。次の雨雲が襲って来る前に、と先を急ぎます。

突然牧場に出たトレイルから、海が見えました。風は強いけど雲が高いので安心。写真をとる余裕も出てきました。


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ジャックが言っていたのですが、道路脇でテント泊するハイカーがたくさんいたので、農家さんが心配して敷地内にテント場を作ったそうです。5時に到着。テントを立てて乾いた服に着替え、晩ごはんを作っているとダンがやってきました。

高所恐怖症なので尾根沿いとか傾斜のあるところは時間がかかるそうです。土砂降りの雨と雷も怖かったそうですが、先にいる私が戻ってこなかったので自分も戻らなかったと言っていました。こんなに大きな男の人でも私と同じことを感じていたんだなと思うとなんだかホッとしました。静かな人だと思っていたら、日本について知っていることをたくさん話してくれました。寒いし雨だしテント越しの会話でした。

晩ごはんは少しの玄米と茹で卵が入った辛ラーメンです。何か物足りなくて、穀物バー3本、リンゴ、クラッカー、ナッツ……と持っている食料全部をつまみ食いしてしまいました。明日はどこまで行こうかな。9時半に就寝です。