歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

DAY#6 Kaitaia to 137.5km (22)

6時半に起床。明け方に雨風が強くなって目が覚めました。今日はやっぱりゼロデーにしようかなと思いましたが、身支度をしていると晴れ間が出てきたので決心。同じ宿に泊まっているハイカーのほとんどが天気が悪いから、疲れが溜まっているから、とゼロデーをとるようです。

マッシュルームと雑穀バーの朝ごはん。サンを見るとジャ厶をジップロックに移し替えています。私も昨日買った辛ラーメンの中身をジップロックに移し替えてカップを捨てました。

火曜日にバウンスボックスが届くまで待たないといけないスーヤンとはここで一旦お別れです。拙い私にアウトドアスキルを色々教えてくれてありがとう。

8時に出発。トレイルノートには最初の5キロのState Highway(州道?)は危ないのでヒッチハイクを強くオススメすると書いてありますが、昨日の道路歩きと大差ありませんでした。スピードを落として大きく避けてくれるドライバーもいれば、そうでない人もいます。

5キロの道路歩きを終えて休憩、ここからはラエテアフォレストの入り口に続く未舗装の道です。歩けど歩けど牧場。北海道では見ない牛です。そしてかわいい子牛も!ベーべー鳴きながら寄ってきます。


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6キロ歩いて早めのお昼ごはん。チョコチップクッキー1枚、ドライプルーン3粒、クラッカー5枚、やっぱりこれで大丈夫でした。日がさしたり、曇ったり、雨かな?と思ったり、天気がころころ変わります。これから行く森を見ると不穏な雲がかかっています。

次の5キロを歩いていると雨が降り始めました。ちょうど近くの家の門の横に大きな木とベンチがあったので避難。少しするとマオリの人が出てきて、アイスをくれました。ありがとう。たくさんのハイカーが毎日通っているはずなのに、みんなすごく親切にしてくれます。私だったら何ができるかな…とつい考えてしまいました。

だんだんと道も細くなっていよいよ森の入り口に近づいてきた雰囲気です。地元の人が作った看板(1.5km先にキャンプ場あるよ)と、DOCの看板があります。


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傾斜のある林道に入って歩き続けていると、寄付金を払って泊まれるキャビンとテント場がありました。ここでも良かったのですが、サンはどうやらGuthookというロングトレイルの地図アプリにユーザーがコメントしている700m先のテント場を目指しています。ですが、目印の小川に辿り着いても周辺にテントを張れるような場所は見当たりません。それらしきところにはホコリをかぶった車が放棄されています。コメントは2年前のものだったので仕方ありません。

ここから先は傾斜もひどくテントを張れそうにありません。最後の民家の門の前も気が引けます。親切な人だったらいいけれど、怖い人だったらこちらが悪いので怒られても仕方ないし……心配している私に大丈夫だと言うサンは地元の人が作ったキャンプ場まで歩いて戻りたくなさそうです。疲れているし説得もしたくないのでもういいことにします。

民家の人が帰ってくるまで時間をつぶそうかなと思っていたら、当然通り雨!慌ててテントを張りました。木の下で雨はしのげますが、石を引き詰めているのかペグがささりません。数キロありそうな大きい石とウォーターボトルで固定しました。大丈夫かな……

遠くに雷も鳴り始めて心細いです。天気予報がころころ変わって良くなっていったので楽観してましたが、確かに最初は雷予報も出ていました。雷ってどうしたら良かったんだっけ……金属は寝かせてあるトレッキングポールと、テントの支柱くらいです。尾根でもなく頂上から離れた麓のほうですが、一応木の下なので、なんだか落ち着きません。

突然雨がひどくなり、雷が近づいてきました。育った広島の八本松が雷の名所で、いつもお皿が割れるような音を聞いていたので、それに比べるとゴロゴロですが、光って3秒くらいになりました。生身で屋外にいるのでは光を見るのも音を聞くのも怖いので寝袋に頭まで入ります。あ〜民家の人、帰ってきて家に入れてくれないかな……と頭をよぎります。何かあったらすぐ動けるようにレインギアをきました。こんなに怖いと思ってしまうほど経験と知識がないのに一人でNZ歩けるのかな……

こんな状況で救われるのはテントが新しくて浸水していないこと、ウールのインナーとフリースを着て寝袋に入って暖かいことです。北島では防寒着はいらないという投稿を見ますが、薄めのフリース、ナノパフ、ウールの上下インナー、すべて使っています。

サンがサラミを持ってきてくれました。雨が落ち着いたようです。雷もう終わったかな?まだ続くかな?と何回も聞いていたら、stay positive!と強めに言われました。そういえば、テアラロアはエスクトリームスポーツだ、チャレンジしにきたのか?と聞かれて、私にとってはスポーツじゃなくて歩く旅みたいな感じかなと答えていましたが、強くなりたいんだった、と思い出しました。

雲も少しは高くなって、雷はもう無さそうです。気分が落ち着いたのでお湯を沸かして辛ラーメンとインスタント味噌汁を混ぜた晩ごはん。歯磨きをして20時半には就寝です。

この雨でラエテアフォレストの泥沼はどうなっているのでしょうか…トレイルノートには18キロ9時間とありますが、雨のあとは1時間1キロしか進めず2日に分けたと言うコメントも見ました。明日は6時半には歩き始め、行ける限り頑張りたいです。