歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

DAY#56 Taumarunui to Poukaria Campsite (40)

6時前に起床。いよいよ川下りが始まります。シャワーを浴びて、残ったラーメンに卵を落として朝ごはん。バレル2本を占領していた自分の食糧を整理して、マックスの枕サイズなパンとバナナを詰め込みました。残りの1本はテントや寝袋や服などです。

8時半、ホリデーパークの敷地内から出発です。慣れないバレルのくくりつけに苦労……よく見て明日から自分でやってね、とマックスに言われたけど、こういうのニガテ。

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口の周りに入れ墨が入ったフィオナのお母さんが、シルバーフェーンというシダを持って旅の安全を祈り、カヌーにつけてくれました。私は川、川は私、というマオリの言葉をみんなで唱え、フィオナとお母さんと、鼻と鼻をくっつけるマオリの挨拶をして、いざカヌーに乗り込みます。

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少し雨っぽい天気ですが、わくわく!ベルジャンカップルが先頭、次に私達、後ろはジャーマンガールズです。9時半頃に出発!

見送ってくれる人たちを写真にとろうとすると、フィオナにマリコ、漕いで、漕いで!と言われ、慌ててパドルを握ると、フィオナのお母さんがマオリの言葉で何かを歌っていた……見送りの挨拶かなぁ……心がシンとしました。

タウマルヌイからワカパパまでは急流が多いと聞いていたけど、浅くて、岩がたくさんあって、思った以上の急流です。迫りくる難関を見て、どこに岩があるか、平和に見える道は浅すぎはしないかなど考えながら、右か左か真ん中か、二人で決めて進みます。

上手く避けていたはずなのに、気づいたら沈していました。白く波立っているとこしか通るところがなくて、ちょっとスピードが落ちたまま突っ込んでしまったのが運のツキでした。最初の岩は避けれたけど、スピードがなかったからかカヌーの向きを変えることができず、次の岩にぶつかって、やばい〜と思った瞬間、スローモーションでカヌーが斜めになって、まじか〜と思いながらあっけなく水の中へ(笑)やっぱり怖いので3秒はパニクって船にしがみつこうとしていましたが、フィオナの言葉を思い出してすかさずパドルを握りました。

他のレンタル会社がどうか知りませんが、レスキューロープは一つしかもらえませんでした。後から気づいたけど、誰が沈しても誰かが助けに行けるように一艇に一つないといけないですよね。足がつかないと思いきや、岩があったりして、なんとも怖い川底でしたが、何十メートルか流されたあとにロイクが投げてくれたロープを掴んで浅瀬に。f:id:mariko_sugiyama:20200128073106j:image

寒くてガタガタ震えがしますが、スリリングで沈も面白いです。怖かったけど、楽しかった。気を取り直して出発したあとすぐに、アレクサンドラ&カトリーナも沈。岸際の早い流れに捕まってしまい、流木に突っ込んだのです。自分たちが沈したとき、誰かが写真とってくれてたら面白いのになと思ったけど、いざ目の前で友達が沈すると、心配になってカメラどころではありません。アレクサンドラはなかなか出てこなかったので、頭が水面に出てくるのをみてホッとしました。

まだ4キロしか進んでないのに、1時間もたっています。歩くのと変わらないペース(笑)今日は40キロ先のDOCのキャンプ場が目的地です。風がだんだん強くなってきて、岩も何もないのに高い波が正面から押し寄せてきます。危うかった〜と大波を乗り越えたあと、マックスがカヌーを岸につけて!と急ぐので、何か落としたのかと思うと、沈して流されるベルジャンカップル。慌ててパドルを差し出して救助。これでみんな沈したことになりました。レスキューロープを持っているロイクが沈すると誰も投げるロープがありません。

沈すると、カヌーから水を出したり、バレルの位置を直したりするので時間がかかります。太陽も出てきたのでついでにお昼ごはん。

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マックスは釣りを始めて、小さなマスを一匹キャッチしましたが、リリースしていました。今日はキャンプ場に遅くつきそうなので、命を奪ったり処理をしたくないそうです。余裕のある日はフィッシュカレーでも作ってみんなで食べたいな〜。f:id:mariko_sugiyama:20200128073652j:image

最初は避けていた早い流れですが、慣れるとむしろ突っ込んでいくようになりました。流れにのって早く進めるからです。途中から国立公園に入り、深い森に野鳥の声、火砕サージがむき出しになったような崖(トンガリロの噴火かな?)と、景色はとめどなく平和で綺麗でした。

キャンプ場に6時過ぎに到着。満杯です。食事中の日本人がいたので話しかけてみると、予約したキャンプ場はまだ先だけどここに泊まることにしたと。休暇シーズンなので泊まりたいキャンプ場の予約ができないのは分かりますが、テントを張る場所を見つけるのに苦労するほど混んでいるのは、予約してない人も来ているからでしょう。。。芝のテント場は満杯だったので、森の中の平らになったところにテントをはりました。トイレの横だからかなんだか臭う…(泣)

カヌーから降りて、疲れていた自分に気づきました。こんなときこそゆっくりご飯を作ろう。アボカド、トマト、ゆで卵、玉ねぎ、ニンニク、オリーブオイル、レモンでサラダを。トマト缶、マッシュルーム、ナス、レンズ豆、クスクス、カレー粉でスープを作りました。アップルサイダーを一本。

9時間近く漕いでいたのでみんな疲れた顔をしています。沈により、アレクサンドラは足に擦り傷、カトリーナはレインパンツに穴、シャーロット&ロイクは青くなるほどアザができています。今日は足を使っていないのにふくらはぎや太ももがつってしまうマックスと私。少し歩いたほうがいいのかもしれません(笑)

明日は少し短く32キロです。テントに帰ると周りはポッサムだらけ。9時に就寝です。