歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

DAY#92 Porter's creek hut to St Arnaud (31)

6時半に起床。みんな起きる気配がないので外のベンチで紅茶と雑穀バーの朝ごはん。
8時には出発です。予報では午前中少し雨でした。後ろのほうから不穏な雲が流れてきています。

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まず目指すのは10キロ先のRed Hill Hut。滑る砂利道を歩いていきます。f:id:mariko_sugiyama:20200216061217j:imagef:id:mariko_sugiyama:20200216061228j:image

川に出ました。いつもなら対岸の森の入り口にオレンジマークがあるのに見当たりません。おかしいなぁ〜と思っていると、まさかの下流にポールが立っていました。しばらくポールを目印に下流に向って河原を歩き、森の中に入りました。
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突然大きな谷にでました。壮大な景色。f:id:mariko_sugiyama:20200216062557j:image

この川に沿って、支流を越えながら歩いていきます。気分はいいけれどなんだか音楽が欲しい。携帯の電池も節約してきたから余っているし、贅沢にスポティファイをかけながら歌いながら歩きます。

Guthookに何人かがコメントしていた、崖をよじ登らないといけないスポットに到着しました。支流の河原に降りると、目の前に巨大な崖が立ちはだかっているのですぐにここだと分かります。

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左端のほうにみんなが直登した形跡が見えるのですが、ここで落ちると河原に真っ逆さまで大怪我の可能性があります。実際、今シーズン?落ちてしまって踵を骨折したハイカーがいます。Guthookのアドバイス通り、崖の左のほうに向かって歩いていると、より安全そうな踏み跡がありました。ただ、足が短くてよじ登れない。木の根を掴んで、ヨイショと石に足をかけると、浮石だったようでゴロリと(笑)ついでに木の根も切れてしまいました。やったらダメなパターンです。幸いバランスを崩すことなく河原に着地できたので良かったです。さらに左にも誰かの踏み跡を発見。ここから入り、道なきヤブの中をナナメ右上に向かって歩いていると、直登トレイルの安全地帯に合流することができました。

ずっと眼下に見ていたモトゥエカ川をついに渡るときがやってきました。本流に向かってトレイルが続いています。渡り終えると写真奥の崖を左手に登っていきます。

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登り終えた崖から振り返る。
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ここからRed Hill Hutまでは細い川に沿ってまた小さなアップダウンの繰り返し。あんまり好きじゃないかも……同じことの繰り返しで永遠かと思ってしまいます。ハットまでたった2キロですか、暑くなってきたし、雨予報はなんだったんだと思いながら早めのランチ休憩にします。少し後ろにいたジュールが追い越していきました。お昼を食べて出発するとポツポツ雨が振り始めました。

遠くにハットが見えました!f:id:mariko_sugiyama:20200216063353j:imagef:id:mariko_sugiyama:20200216063408j:image

2009年に建てられた綺麗なハットです。ベランダ付き。サンドフライもいないので窓全開にして少し休憩です。ハットノートを見ていると、昨日Top Wairoa Hutで一緒だったセバスチャンは無事ここまでたどりついていました。ただ人が多すぎてテント泊だったみたい。私が今朝出発したPorter's Creek Hutも数日前には20人近くいたみたいだし……TAハイカーがこんなに増えるなんて、DOCはハット増やさなきゃいけないですね。

Red Hills HutからRichmond alpine route最後のセクションはMTBトレイルを12キロほど歩くのですが、ショートカットをして、少し前まで公式ルートだった7キロのMTBトレイルを歩くことにしました(笑)1時半に出発。ちなみに、古いルートは小川がたくさんありますが、新しいルートは水が全然ないらしいので、要注意です。そして、Red Hills Hutの水タンクも空に近いことがあるようです。

林道のような道をてくてく下り、3時過ぎ、久々に山から出ました。人里に近づくにつれ、まずは家畜のニオイ、車の音が鼻や耳に飛び込んできます。山に8日間いたので新鮮な気持ち。

ここからSt Arnaudという小さな集落まで10キロほどハイウェイ歩きです。パラパラだった雨が突然ザーザーぶりになりました(笑)まぁ、山でふられなくてよかったです。そういえば、タラルア初日ぶりの、3週間ぶりの雨です。道路を歩いているのにいつのまにかサンドフライが腕に止まっていました。恐るべし、南島のサンドフライ。道路歩きでもたかられるなんて最悪だ(笑)ザックを降ろして虫除けをぬりぬり。

雨だし、長く感じてしまい、歩きたくないモード。誰か停まってくれないかな、と思いながらもなんとか歩き、あと1キロに!ここで地元のおじさんが、大丈夫か?乗るか?って。大丈夫、歩きます、と。登山口で言われてたら乗ってしまっていたかもしれません。f:id:mariko_sugiyama:20200216064036j:image

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靴をぐちょぐちょ言わせながら、アルパインロッジに到着。普通に立派なロッジで、汚い身なりで入るのが躊躇われます。バックパッカー棟に泊まりたいけど受付はここですか?と恐る恐る聞くと、そうだよ、でも残念ながら満室なんだ、ホテルルームをあげよう、と。あげよう?!よくあるシングル予約したけど部屋があいてるからダブルになったとかいうサービスじゃないだろうなと思いつつ、いくらですか?と聞くと、155ドル!予算オーバーなので違う宿に行くと伝えると、Sabine Traverse hotelに行くならTAハイカーだと言わないほうがいいよ、と謎なアドバイス(笑)雨の中ロッジをあとにしようとすると、1日早く到着していたキース&ジャレッド、アントワン、フランスのベアトリスがビールとフライをかかえてロッジに戻ってきました。ファミリールームだからスペースあるよ!と。ロッジのオーナーも一人追加料金25ドルね、と。(5人以上寝ることを想定した部屋だったから追加料金なくてもいいんじゃないか…笑)うれしい!床でも寝れるよといいながら部屋についていくと、ロフト付きの立派な山小屋風な部屋にクイーンベットと、エクストラベットが4つ(笑)部屋代を割り勘しても一人30ドルです。明日泊まるバックパッカー棟は35ドルだなんて逆転現象だ。ちなみに、ここはフードボックスを預かってくれるのですが、今年の途中から預かり料金を15ドルに変更したそうです。ぼったくりなんじゃないかと思ってしまう……宿泊者とかレストランでピザやビールにお金を落とした人にはタダ!くらいな心意気を見せてほしいです。

8日ぶりにシャワーを浴びると驚くほど茶色い水が流れていきます。髪も体もごしごし2回洗ってようやく透明な水になりました(笑)

向かいの商店に行き、ジュース5ドル、1.2Lのサイダー18ドル、マフィンとパイ各5ドル、フライドポテト8ドルと、高い買い物をして、バックパッカー棟を除きに行ってみると、昨日ついていたポーランドカップルが出発するところでした。完全ならぬゼロデー、夕方出発すれば宿代も浮くし賢いなぁ…。バックパッカー棟も広々したキッチンに、ソファにテーブルに良い雰囲気です。明日はゆったりゼロデーを過ごせそう。

部屋に帰ると鍵がかかって誰もいません。ラウンジのふかふかソファに座っていると、みんな宿のレストランにいました。ジュールやオーストリアのザック、フランスの女の子も加わってビールとピザ。具だくさんで美味しい!

ウイスキーを飲みながらビリヤードを始めたみんなにおやすみを言って部屋に戻りました。1時に酔っ払って帰ってきたみんなは明日出発だというのに2時くらいまでゲラゲラ笑って楽しそうです。アントワンの壊れっぷりが想像以上で、Are you sleepy?Are you drunk?とみんなに聞いてまわって、聞き返されるとNo!と子供のように答えています。誰かに似ているような……(笑)