歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

DAY#97 Blue lake hut to Waiau hut (14)

7時前に起床。早く起きたかったのに遅くなってしまいました。

お茶をいれて、クスクスを作り、クスクスがふやけるのを待ちながら荷物をまとめます。今朝はだいぶ冷え込んで、標高1200mのハットの中も寒いままですが、なぜかストーブは使われていません。本当に寒いとき以外は使わないで、と昨夜のハットトーク(小屋番と宿泊者の集い)で言われていましたが、理由はなんだったかな……ヘリで運ぶものを少なくするためだったかな?

寒いので体がかたかったのか、浄水した水をひっくり返してしまいました!あ〜もう!

しおりさんたちは7時半ころに出発していきました。私もバタバタしながらご飯を食べ、荷物をまとめて外に出て靴をはこうとすると……まず靴下が凍っていました。f:id:mariko_sugiyama:20200216190358j:image

嫌な予感。昨日川渡りで濡れたままだった靴も中敷きも凍っています!臭い靴をハットにいれるのマナー違反かなと思い、外に出していたのです。みんな中にいれてたから私も気にせずそうすればよかった。仕方ないので靴下だけ乾いたものを履いて8時半に出発。みるみる感覚がなくなる指先。冷たい〜(泣)f:id:mariko_sugiyama:20200216190534j:image

切り立った山に囲まれていて、ブルーレイクはまだ日があたっていません。ちなみに、地元のマオリの人にとって神聖な場所なので、水に触ることすら許されていません。地元のマオリの死者はここからCape Reingaまで旅をするそうです。

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写真に撮りたい人は到着した日のうちに撮っておきましょう。しばらく登っていくと、コンスタンス湖に到着。太陽がだんだん出てきて湖面が青くなりつつあります。f:id:mariko_sugiyama:20200216192113j:image

ここで少し迷ってしまいました。岩がごろごろ雪崩れたゾーンに入り、本当は雪崩の上に向かって登りながら渡らないといけなかったのですが、なんとなく湖に向かって雪崩の下流に行ってしまったのです。突然オレンジのポールが無くなったことに気づきながら、かすかな踏み跡をたどるも、すぐにヤブの中へ。TAのアプリも湖に近いほうに間違って引かれています。おかしいなぁと思いながら藪漕ぎしていると、はるか上のほうにポールを発見。ナナメ上を目指して進んだのですが、エネルギーも時間もだいぶ消耗してしまいました。

コンスタンス湖を見下ろすところまで登り詰めると、今度は湖岸に向かって急斜面を降りていきます。先に行きたい気持ちはあるのに、下り坂はゆっくりしか進めません。

朝から水をこぼしたり、思うように早く出発できなかったり、靴を凍らせてしまったりなんだかアンハッピーな気分になっているのに気づきました。気持ちの入れ替え!景色はこんなにきれいなのだから、目指す宿にたどり着けなくてもいいじゃないか、とりあえず今を楽しもう。と、座ってクッキーを食べました(笑)

コンスタンス湖に流れ込む小川を進んでいると、グースがいました。f:id:mariko_sugiyama:20200216192417j:image

正面にはワイアウパス。どーん、、、
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1870m。気が遠くなるような急斜面にポールがたっています。よ〜し、少しずつ。登りきってやった〜と思い、満足げに写真を撮っていると、あと標高150m分くらい残っていたのでした。

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かわいい花に元気をもらいます。f:id:mariko_sugiyama:20200216192851j:image

利尻をウンウン登ってたときも、リンドウのハナがこっち向いてるような気がして嬉しかったなぁ。

シカもいました。きみもワイアウパス超えてゆくのか(笑)

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12時半頃、ワイアウパスに到着!やってきた道。

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そして、その向こうに待っていたのは。f:id:mariko_sugiyama:20200216193014j:image
とりあえず、電波もあったので家族にラインし、お昼ごはんに。

風もない中、1000mくらい一気に降りていきます。岩にしがみつきながら…(笑)相変わらず上手く写真に撮れないのですが、巨大な岩にしがみつきながらなんとか降りて行く感じです。手足が短い人には難しいかも!怖かった!

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最後は膝も痛くなって、なんとか降りきったところで小川が流れていました。f:id:mariko_sugiyama:20200216193243j:image

目的地の小屋まで目安4時間、まだ2時半です。髪と手足を洗って、服を洗濯してザックにくくりつけました。本当は飛び込むつもりでTシャツとトレッキングパンツを脱いでいたけど、水があまりにも冷たくて辞めました。おそらく雪渓や岩に染み込んだ雪解け水から流れてきてるんだと思います。

3時半頃に出発。思ったよりまだ下りが残っていたのでした。なんとか川沿いに降り、あとはフラットなのですが、なんども雪崩ゾーンに出ます。少しの森、雪崩ゾーン、少しの森、雪崩ゾーンの繰り返しです。また雪崩ゾーンか、と気が滅入ります(笑)

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そういえば2000kmのマークがありました!

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ようやく平らになって、あと5キロか〜4キロか〜と思いながら歩きます。膝はもはや使い物にならず、足を振り子のように動かすだけ。少しの段差で踏ん張ることすら難しいです。

は〜疲れたと思いつつ、いや、景色めっちゃ綺麗やん、これ振り返っても綺麗なんじゃ?とふりかえり、あ〜やっぱり綺麗だわ〜と思っていると、遠くにハイカーを発見。f:id:mariko_sugiyama:20200216193745j:imagef:id:mariko_sugiyama:20200216193812j:image

ピンクのショートパンツ、ナタリーだ!手を降ろうとするとナタリーも手を降ってくれました。すぐに追いついたナタリー、今日はウェストサビーンハットから来たそうです。

天気良いよね、綺麗だよね、とお互い喜んでいると、まりこへのギフトだよ!と。青い空に、風も穏やかで、そのとおりです。天気が悪ければ雨や強風で歩けないことだってあり得るのです。感謝、感謝……

最後の3キロをおしゃべりしながら歩いていると、突然ハットが見えました!キャンプ場まで残り3キロを一緒に歩いた90mileビーチを思い出します。あのときと違うのは、死にそうなほど疲れてはおらず、ナタリーのペースに合わせて難なく歩けること。成長したなぁ(笑)

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そして、しおりさんたちもワイアウハットにいました。先に行ってたかと思ったので、また会えて嬉しい!

ワイアウハットは地元の農家さんが寄付したお金でたてられた、めちゃくちゃ綺麗なハットですが、サンドフライがめちゃくちゃ多い。しかも少し大きめ?

 

ナタリーもPhysioだし、しおりさんたちもphysioだったのでした。日本語でいうと理学療法士?ナタリーに膝痛の話をしたら、太もものマッサージしたらいいよと言うので、今日は足のマッサージをしました。こういうの日課にするの苦手なんだよな〜でも、何事もスタート。

ナタリーもしおりさんたちも明日は40キロ以上先のボイルフラットハットを目指すそうです。平坦な道だから大丈夫って。私も頑張ってみようかな??(笑)と冗談で思うものの、26キロ先のアンハットが私の平常運転です。ボイルビレッジまではあと丸2日かな。9時半に就寝。