歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

DAY#107 Hope kiwi lodge to Hurunui hut (18)

7時過ぎに起床。

みんな食料を吊るしていたはずなのに、夜中ネズミがやってきて、ローラのザックで何かを食べています。ウトウト寝続けていたのですが、アダムがいきなり、Laula, is it you? or is it a mouse?と聞きます。返事がないからローラは寝てるのに決まってるのに、またすぐLaula, is it you? or is it a mouse?と。ネズミに決まってるやん、聞いても起きないなら、ローラを起こしにいくか自分で何かしてよとつっこんでるうちに目がすっかり覚めたので、ヘッドライトをつけてローラのザックを2段ベットの上にあげました。ザックに食料が残っていたら解決にはならないけれど。これでまた音がしたら次はローラを起こす、ローラも起こしてほしいと思うはずだから、とアダム。耳栓をして寝始めるとアダムがLaula, are
you awake?と爆睡中のローラに何度も尋ねているのが聞こえましたがなんとか眠りに戻れました(笑)時々雨がザーッと降る夜で、雨の音が心地よかったです。ただ、なぜか夜も活動中のサンドフライにかまれてしまいました。薄手かつピッタリしたものだと服の上からでもかまれてしまいます。暑くて寝袋に入っていられませんでした。

紅茶とクスクスの朝ごはん。みんなのんびりして出発する気配がありません。私も今日は19km、6時間先のハットが目的地です。さらに10km、4時間先のハットまで歩く元気はありません。6日間も休んでいて足裏が痛いのと、昨日濡れた靴で長時間歩いていたせいで足首の皮がぺろんとめくれてしまったからです。なんとか薄皮で保っているけど、これ以上靴擦れしたら真皮に届きそうです。f:id:mariko_sugiyama:20200303173513j:image

キウィ川を上流に向って歩くと、トレイルは森の中へ。標高たった700mくらいのキウィサドルを越えていきます。サムナー湖が見渡せる展望台、と看板があったので1分足らず登りの寄り道をしてみましたが、この眺望(笑)

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切りたくなりますね。展望台の周りの木は本当に無くていいと、利用する側になるとつくづく感じます。木で覆われて眺望がないなら展望台という看板を降ろしてほしい。登ってきた私の消費エネルギーどうしてくれるんだ……

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森はとっても綺麗です。みんなに抜かされ、今日も一人のんびりだ〜と無心に歩いていると、ベアトリスが休憩しているところに鉢合わせしました。体格良くガシガシ歩くベアトリス、クライストチャーチで休んだあとだからザックは重いし、新しい靴には慣れないし、サンドフライは多いし、とブツブツ。なんだか気持ち的にしんどそうです。

サムナー湖のほとりに出ました。紅の豚に出てくるような着水できるプロペラ機?がちょうど離水したところでした。初めて見た〜。f:id:mariko_sugiyama:20200303174451j:imagef:id:mariko_sugiyama:20200303174605j:image

ここから、開いたゲートから川辺に向かって道標が、閉じたゲートから森に向かって道標があります。森のほうが近そうだしguthookにもコメントがあったので森を選びました。

しばらく進んでいると何本も木が折り重なって倒れているゾーンに。ヨイショヨイショと乗り越えていると、次のオレンジの三角印がどこにあるか全く分からなくなってしまいました。トレイルに戻れるかなと歩き回っているうちに、前にも後ろにも進みづらい困った状況になってしまいました。足元はフカフカした苔に覆われた倒木、ビーチの幼木で見通しが悪い藪の中。GPSで見るとトレイルはほんの少し山側にあるのですが、登っていけるような感じではなく、かといって下っていける感じでもありません。なんとか前に進みます。ビーチはスズメバチが好きな木なので、ビーチの森でトレイルから外れるのは賢くないと思います。幸い、スズメバチの姿は少なかったので、どうか巣に当たりませんようにと思いながら朽木をバキバキ踏み抜きながら進んでいると、やっと見通しがきいて歩きやすい森になりました。地図で見るとトレイルは一度川辺に降りるので、とりあえず川辺に向かっていると、みんなが迷った足跡がたくさんありました。

牛に見つめられながら川辺の放牧地を進んでいると、オレンジ三角を見つけてトレイルに戻ることができました。f:id:mariko_sugiyama:20200303175046j:imagef:id:mariko_sugiyama:20200303175102j:image

トレイルは森から放牧地に出て、吊橋目指して牛の間をつっきります。背景がかっこいいと牛も半端なくかっこいい。f:id:mariko_sugiyama:20200303175129j:imagef:id:mariko_sugiyama:20200303175148j:image

吊橋を渡ります。

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川で頭を洗い、洗濯も兼ねてトレッキングパンツごとじゃぶじゃぶ水浴び。今日も暑すぎて、1キロ先のハットにつく頃には乾いていました。

昨日同じハットだったUK出身NZ在住のアダム、ベルギーのベアトリス、フランスのローラは次のハットを目指すと言っていたので、静かなハットでのんびりするぞ〜と思っていたら、みんないました(笑)思ったより時間がかかったのでここで終えることにしたようです。フランスのピーエー、オランダのアヌック、ゴミを捨てていったマナーの悪いハイカー二人、地元の釣りおじさん二人と、満員に近いハット。釣りおじさんたちがストーブを焚いたので暑くてたまりません。フランスのピーエーが外にテントを張っているので、私もベランダでテント泊することにしました。

チョウがくれたリラックスティーを飲みながらマッサージしたら、ほんとにリラックスした気持ちに。今夜はよく眠れますように。