歩くまりこの日記

NZを縦断する3000kmのロングトレイル、Te Araroaを歩きながら毎日をつづりました。

DAY#110 Kiwi hut to Arthurs Pass (14)

8時になってようやくみんな起き始めました。夜は雨が時折降っていましたが、外はくもり。ときどき晴れ間も見えます。

アヌックの天気予報によると1時から雨ということなので、ギリギリの12時まで待って出発、川の水位ができるだけ下がったタイミングで渡渉し、あとは14キロ程度、国道に出れる吊橋まで歩こうという作戦です。f:id:mariko_sugiyama:20200303192206j:image

9人で24時間過ごしたKiwi hutを出発、タカラマル川にやってきました。ヤンとクリスが試しに渡ってみて、女性でも渡れるところを探してくれています。

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TAやGuthookにGPSで示されたラインは全く当てになりません。自分の目で見て、川幅や流れや、浅さや速さを判断しないといけないのだと思います。クリスとペアになり、二人で向かい合って立ち、お互いの手首をがっちり握ってロック。カニさん歩きで川を渡ります。クリスが一歩、私が一歩。体格が大きい人が上流側に立つことで、小さな人を守ることができます。クリスがPCTで役に立ったというこの方法、下流側の私は水圧をほぼ感じませんでした。

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渡渉を終えると、みんなで河原歩きです。川沿いにあったトレイルが流されたのか、もともと河原歩きなのか分かりませんが、石がゴロゴロした歩きにくい河原です。もちろん道標もなければ、踏み跡などもありません。河原がないところもあるので、ときどき森に入って藪漕ぎです。

極めつけに、とげとげゴースの藪の中で迷ってしまいました。最初はなんとなく踏み跡があるような気がしていたのですが、だんだん細くなり、最後は見通しが聞かないほどに。仕方なく小川に出てじゃぶじゃぶ歩いていたのですが、ふと地図を見ると、歩くべきところから横に500mもそれています。判断を少し迷った末、1キロ戻ることに。もう!なんで携帯みなかったんだ!と自分に怒りが湧いてきます。1キロ戻ると、渡渉後では初めて見たかもしれないオレンジポールがあり、そこからは歩きやすいトレイルが存在していました。時刻は3時。雨が本降りになりメガネが濡れて視界が悪い。トレイルは運良く森の中へと続いています。川沿いの急斜面にむりやり作ったようなアップダウンの多い、滑りやすい、トレイルでしたが、障害物競争みたいで好きかもしれません。f:id:mariko_sugiyama:20200303193217j:image

みんなに追いつきながら、5時半頃にモリソン橋に到着しました。びしょ濡れだし、道に迷った怒りもあって、マチに行って乾いたところで寝たい気分でした。

ヒッチハイクを始めるとアダムが、一緒にトライしていいかな?と。なんのことかと思いましたが、アダムにとっては一人でヒッチするより私とヒッチしたほうが可能性があがるのでした。私にとってはおじさんはお荷物です(笑)もともと車通りが少ないのに、1時間くらい待つ羽目になりました。服はびしょ濡れだし、止まっているし、凍えるほど寒かったので乾いたTシャツとフリースとダウンに着替えました。トレッキングパンツと靴下と靴はぐちょぐちょです。

カトリーナもやってきて、3人だとますます無理だな、と諦めかけた途端、地元の人が止まってくれました。びしょ濡れ、6日もシャワーを浴びていないハイカー3人を拾ってくれるなんて神様です。私も北海道に帰ったら……臭そうなハイカーでも…ひ…ろ…う…

アーサーズパスに到着、TAハイカーが集うサンクチュアリという宿につくと、なんと悲しいことに満室。テントサイトしかないと言われたのでした。とりあえず温かい食事をしにバーへ。すごく高かったけど32ドルのピザを注文。(アーサーズパス、何もかもが高い〜)

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カトリーナが、教会があるらしいから、もうそこに泊まるかも、とぽろり。すぐ近くの小さな教会に行ってみると、ドアが開いている!しかも暖かい!乾いてる!あまり目立たないようにサッと入り、荷物を広げて乾かしていると、ん?滝?ライトアップ?十字架の後ろに、神々しくライトアップされた滝が見えます。なんて豪華な教会、なんて豪華な今夜の宿。神様ありがとう〜。


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幅40cmくらいの長椅子でしたが、十分ふかふかなベッドになりました。日付が変わる頃に就寝。ぐっすり寝た〜。